あなたはdencyu派?sogan派?-平櫛田中編

前回の2022年4月に「小平に人気スポット紹介なら大丈夫かな」と書いた矢先、東京都でえらいコロナ感染確認数が発生し、思わず「おおまじか」と呟きが洩れてしまったツバメホームズの小野です。

またお出かけ報告がしにくくなり鬱々としながら今年の酷暑を過ごしましたが、皆様はいかがお過ごしでしたか?やっとまた気温もコロナ確認数も落ち着きつつあるので、お出かけを再開させていただきます。

(もうこれでブログ中断はないと思いたい所です)
(フリになりませんように)
(頼むぞ)

さてさてところで皆様、小平ゆかりの芸術家といえばどなたを思い浮かべるでしょうか。独断と偏見で論じさせていただくなら、よりゆかりある彫刻家のお二人といえば『平櫛田中』『齋藤素巖』のツートップかと思われます。

齋藤素巖に関しては「小平、隠れた桜の名所をご紹介します」でご紹介したこともありますが、町中にいくつも作品があるので小平市民なら絶対目にした事があるのではないでしょうか。対して平櫛田中は晩年小平にて過ごしていたお家がそのまま美術館となっているんですね。

そのためか、もったいなくも知らない方が多いので、これはいっちょご紹介したろ!と思いまして筆を執った次第でございます。ちなみにキーボードで打っても『筆を執る』って言うんでしょうかね?

平櫛田中とは

※開運なんでも鑑定団:銀河万丈さんの声で脳内再生すると雰囲気が出ます

1872年2月23日生まれ。近代日本彫刻史を代表する彫刻界の巨人であり、鬼気迫るほどの高い写実性と大胆な彩色、深い教養に支えられた精神性あふれる作品は国や時代を超え広く愛されている。

1972年に小平市名誉市民となり、100歳を越えても創作活動を続けた偉大な彫刻家である。1979年に亡くなった時点では何と107歳、当時男性長寿日本一の人物であった。

というわけで1979年に私の爆誕を待ってから田中さんはご逝去なさったわけですが(言い張る)このたび小平市制施行60周年と、平櫛田中さんの生誕150年を記念して特別展『生誕150年 平櫛田中展』を開催されているそうです。これは爆誕した立場上はせ参じねばなりませんね。

平櫛田中彫刻美術館記念館に行ってみよう!

『平櫛田中彫刻美術館記念館』は一橋学園南口からちょっと歩きます。道すがら商店街を眺めているとついつい寄り道ばかりしてしまい、牛歩のごとく進まないのが楽しくもあり、困っちゃうこともあり。

ここは子供の頃にミニ三角公園と呼んでた所ですが、旧・一橋大学駅の駅前ロータリーなんですってね。よく季節の飾りやイルミネーションが飾り付けられています。

おりしも今は平櫛田中展の看板が!

この旧ロータリーを右に曲がり、ずっとまっすぐ行くと突当りに一橋大学の小平国際キャンバスがあるので左に曲がります。

そうしますと玉川上水にぶつかる手前、白い塀に瓦をのせた粋な門塀が左に見えますので、そちらが美術館の入り口となります。

館内は残念ながら撮影禁止ですのでふわふわした私の感想だけ申し上げますが、いやはっきりいって「えらいこっちゃ…」と思いました。

ほとんどの彫刻が30cm前後のサイズなのですが、その作品たちがまるで生きているかのような、今にも動き出しそうな…いやいやよくある表現だと思いますでしょ?あまりの凄まじさに他に何か該当する言葉がないかぐるぐる脳内を検索するのですが、私の拙いボギャブラリーでは結局それ以外に言いようがないというか、作品と対峙しているだけで緊張するくらいリアリティがあるんですよ。

そういえばうろ覚えの記憶で、だいぶ昔になんでも鑑定団に幻の平櫛田中の作品を出品した方がいらっしゃったんですね。『ひいおじい様を彫っていただいたのですが、夜に見ると本人がそこにいるようでびっくりする』と言っていたエピソードを見たことがあるのですが、さもありなん、むべなるかな。

※さてここからは『渡辺篤史の建もの探訪』な雰囲気でお読みください

美術館は小さいながらも見どころのある2階建+地下一階の3フロアの構成となっており、終わりましたら入口すぐ横にかつての田中翁が終の棲家、今は庭園となっている「九十八叟院」を含む記念館がございます。建築家・大江宏による書院造りの名建築として名高いこの九十八叟院ですが、まずは玄k

看板『平櫛田中彫刻美術館の記念館は玄関のみの部分公開となります』

…え-、建物探索ごっこはいったん中断しまして、と。

『九十八叟院』含む記念館は、現在部分公開中

記念館は木造建築なのですが、令和元年に実地した耐震診断検査にて基準を下回っていたため、来館者の安全性を確保するため、令和2年度から当面の間は記念館を部分公開とするらしいです。

ええ~、あの素晴らしく美しい庭園と建物が見られないなんてぇ~!

私が子供の時はまだ美術館の部分もなく館には小学生は無料で入れて、おやまの金太郎さん公園で遊んだ後や玉川上水を自転車で爆走した後に訪れ、古いガラスのメラメラとした表面や見事な庭を縁側からぼーっと眺めたり、ツルツルになった柱を何とはなしに撫でたり、意味もなく屋敷内をぐるぐる回ったり…

ちょっと日常と切り離されたような、空間と自分が一体化したような何とも言えないあの素敵空間、ぜひまた味わいたい!復興待つ!そんな後ろ髪をひかれるような思いで出口に向かう途中、おなじみの「コレ」が目に入りました。

あいかわらずでっか。

こちらは美術館シンボル、彫刻用のクスノキの原木です。原木は切ってから何十年も置いて水分を抜いてからでないと彫刻はできないそうで、田中翁は何とこの原木を100歳のときに購入されたそう。

一体いくつまで現役でいるのかという話ですが、平櫛田中の名言に『六十、七十は鼻たれ小僧、男ざかりは百から百から、わしもこれからこれから』とあるのできっと150歳くらいまで長生きする予定だったのでしょう。カッコイイ。大河ドラマにして。朝ドラでもよしとする。

美術館の後は玉川上水探索もよし、商店街に帰りカフェや飲み屋さんで余韻に浸ってもよし。とても素敵なスポットですので皆様ぜひ一度訪れてみてくださいな。

平櫛田中彫刻美術館記念館はこちら

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